2008年 02月 10日

監査調書

監査調書とは監査人が作成する監査計画及びこれに基づき実施した監査の内容並びに判断の過程及び結果の記録のことです。監査人は監査報告書を発行するための合理的な基礎を得たことを示す十分かつ適切な記録を提供することと、一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を実施したことを満たす監査調書を適時に作成しなくてはいけません。
監査調書を作成することで、監査業務の質の向上、効果的な査閲の実施、監査報告書の発行前に、入手した監査証拠及び到達した結論をより適切に評価することなどが可能になります。
監査調書の作成目的は次の事項が含まれます。

  1. (1) 監査計画を策定する際及び監査を実施する際の支援とする。
  2. (2) 監査責任者が、指示、監督及び査閲を実施する際の支援とする。
  3. (3) 実施した作業の説明根拠にする。
  4. (4) 今後の監査に影響を及ぼす重要な事項に関する記録を保持する。
  5. (5) 監査業務に係る審査及び監査業務の定期的な検証の実施を可能にする。
  6. (6) 法令等に基づき実施される外部による検査の実施を可能にする。

監査調書には一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して実施した監査手続、その実施時期及び範囲、監査手続を実施した結果及び入手した監査証拠、重要な事項及び到達した結論についてその会社の監査に従事していない監査人が閲覧した場合でも理解できるように作成する必要があります。
監査調書に記載される重要な事項とは次のものが含まれます。

  • ・特別な検討を必要とするリスクとなる可能性のある事項
  • ・監査手続を実施した結果、財務諸表に重要な虚偽の表示の可能性を示した事項、又は当初の重要な虚偽表示のリスクの評価やその対応を修正する必要性を生じさせた事項
  • ・監査手続の実施において、その実施に重大な支障をきたした状況
  • ・監査意見に影響を与える可能性がある検出事項

また、監査人が例外的な状況において、一般に公正妥当と認められる監査の基準において求められている監査手続きに代えて他の監査手続きを実施することが必要であると判断した場合、代替的な監査手続を実施した理由及び手続の実施により達成した内容を文書化しなければなりません。
監査人は監査報告書日後、適切な期限内に、監査ファイルの最終的な整理を完了し、この後に監査調書の変更や追加を行う場合は、実施した者及び実施日、変更又は追加が必要となった具体的理由、結論への影響がある場合にはその内容を文書化することが必要です。
また、監査報告書日後において例外的な状況が発生し監査調書を変更する場合は、発生した状況の内容、新たに若しくは追加的に実施した監査手続、その結果入手した監査証拠及び到達した結論、実施した者及び実施日を文書化しなければなりません。

参考:監査基準委員会報告書第36号 「監査調書」

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